University of Illinois at Urbana-Champaign(イリノイ大学)
篠原千尋さんの留学レポートⅠ

私は札幌市立高等専門学校というところで2年間環境デザインを学び、その後一年のブランクを経てここ、University of Illinois at Urbana-ChampaignでLandscape Architureを学んでいます。 編入生として入学し、2年目のカリキュラムから始めたので、今年は3年目ですが、来学期が学部生としての最後の学期となります。 ちなみに私の学校ではBLAは4年制です。 しかし教授などの話では、アメリカ国内で4年制のBLAプログラムを維持している学校は最近かなり少なくなっているそうです。

就職活動が目の前に迫っていることもあって、ライセンスやトレンドの話には私だけではなくスタジオ全体が敏感になっており、様々な情報が入ってきます。

他の留学生の方達のレポートも読ませていただきましたが、本当にアメリカは州によって状況や規制が全く違って面白いですね。ちなみにイリノイ州のレジスタレーションを受ける資格は、BLAもしくはMLAと、実務経験がBLA保持者で2年、MLA保持者で1年です。LAのディプロマを持っていない場合は8年の実務経験が必要になります。

試験は5つのカテゴリーに分かれており、5つ全てに合格した場合のみ、ランドスケープアーキテクトとしてレジスターされることになります。ただ、一度出願すれば2年間の間は何度でも(といっても半年に一度しか試験はありませんが)、一遍に全てに合格しなくても、半年後に、不合格だったカテゴリーだけ受け直すということもできます。一発合格するほうが珍しいという話を、卒業した先輩方からよく聞きます。

この試験は州によってかなり難易度に差があるようです。それはある程度ランドスケープアーキテクトのステータスに比例しているようで、カリフォルニア州が一番合格率が低いようです。逆にあまりにも合格率が高すぎると、ライセンスのクォリティーを下げるものとして監査委員会のチェックが入り、場合によっては試験そのものが廃止されてしまう例もあります。そのせいかどうかはわかりませんが、去年ミズーリ州ではライセンスが廃止されたそうです。

sustainabilityについてですが、サステイナブルデザインというのは、確実に、様々な業界でこの先十年間のトレンドになると私は思っています。色々本を読んだり、レクチャーに参加したりしましたが、言葉だけが先行しているようで、はっきりと「なにをsustain(維持)したいのか」を定義したものが少なく、あっても個々様々で、誤解を招きやすい言葉だと思います。ただ単に「自然保護・再生」という意味で使われている場合もあります。

其の中でも私の一番納得した定義は、誤解をさけるためそのまま引用しますが、「meeting the needs of today's population without diminishing the ability of future populations to meet their needs」というものです。
つまり私達の住環境や有限な資源を、将来の世代まで、要求を満たしつつ維持(sustain)することが目的で、自然保護やリサイクルはあくまでそのための「手段」です。 これならば「人々のために快適な環境を提供する」というランドスケープアーキテクトの使命にも合致すると思います。

この言葉はKim Sorvigという人がその著書、Sustainable Landscape Constructionの中で定義しています。 この本は、初めて出版されたサステイナブルデザインのための具体的なマニュアルとして評判が高いらしいですが、意外と平明に書かれており、私でも理解することができました。

アメリカにいると(といってもたかが三年ですが・・・)逆に日本のランドスケープの情報を入手するのが困難になります。 アメリカほどLAに関してのページの開設数も多くないし、「ランドスケープをしよう」のようなページが今後さらに増えてくるといいな、と願っています。「ランドスケーププロジェクト」の更なるご活躍を期待しています。