EDAW所属(カリフォルニア州立工芸大学卒
後藤太志朗さんの海外就職レポート

はじめまして。
就職活動レポートの藤田さんと同じ事務所で働いている関係でこのサイトを知りました。自分の経験が少しでもお役にたてるならと、レポートをさせていただきます。ただし、大学を卒業してからかなりの時間が経っているので、アメリカでの就職に重点をおきたいと思います。

私は日本の高校を卒業後、アメリカのカリフォルニア州立工芸大学サンルイスオビスポ校とポモナ校を受験し、サンルイスオビスポ校に落ちてしまいました。これではポモナ校も落ちてしまうと思い、ポモナ校の入学受付に3度直接行き、たどたどしい英語で、「がんばるから入れてくれ」と懇願しました。3度目になると大学の職員も顔を覚えてくれ、最後には入学許可の書類が送られてきました。大学に入るにはそこそこの学力も必要ですが、やる気の度合いも考慮されるのでしょう。大学内の最新の情報については大西さんが書いておられるので、ここでは省略しておきます。


さて、大学を卒業してからは不景気のため就職が大変でした。しばらくは大学の先生の設計事務所でお世話になり、半年後に同先生の紹介で日本の東京ランドスケープ研究所というところに就職が決まり、3年ほど公園設計、まちづくり、営業など様々な業務に携わり、そののちカリフォルニアにもどってきました。


日本からこちらへ就職したことのある方なら経験されたことがあるかもしれませんが、基本的に中規模のランドスケープ事務所は地元のランドスケープアーキテクトを採用したがります。国際的なプロジェクトにかかわっていない場合が多いからです。私も4社ほど受けましたが全部落ちました。EDAWという会社も受けましたが、ずっと音沙汰がなかったので結局小規模の会社に就職しました。


1年が経ち、EDAWから電話がありました。日本でのプロジェクトがはじまるので来てくれないということでした。私の履歴書をとっておいたのでしょう。すぐにEDAWに就職し、今年で5年が経ちます。

report08

EDAWに入って思ったことは、デザイン力だけでなく、英語の上達が重要であるということです。最初は英語があまり上手くないので、お客さんから遠ざけられ基本設計や実施設計の図面を担当していました。これはこれでいい経験になったので喜んでいました。

しかし給料の査定では、上司に「もうちょっと英語をがんばるように」と言われました。給料もそんなにあがらず昇進もありませんでした。そこで私は、上司とお客さんのミーティングに連れて行ってもらい、上司のプレゼンの仕方、お客さんが反応する英単語を覚えていきました。


時が経つにつれ、お客さんにプレゼンをさせてもらうチャンスを上司にもらい、それまで覚えたことを活用したら次からもミーティングでプレゼンができるようになりました。それを機に私の目標であった現場監理もさせてもらえるようになり、給料もそれまでより上がり(と言ってもたいしたことはないのですが...)、昇進もできました。今では現場監理が自分の強みの一つとなり、公園の実施設計と現場監理を専門に働いています。

自分の専門を持つこともアメリカのランドスケープ業界では重要なことです。

必要とされれば、いろいろな方向性がでてきます。去年、私に施工業者から就職採用の申し出がありました。条件はかなり良く迷ったのですが、ランドスケープアーキテクトとして生きていこうと決めていたので断りました。今年は公園だけでなく他の設計、現場監理にも携わりたいと思っています。

長くなってしまいましたが、何か質問等ありましたら御連絡ください。